In Vitro試験では形態的、質的評価を行った。用いた細胞は腹膜中皮細胞で敷石状形態細胞(以下Epi細胞)及び線維芽様腹膜中皮細胞(以下Fib細胞)で行った。酸性刺激のみならず、糖刺激においてもEpi細胞の変化は乏しいが、Fib細胞が腹膜硬化に重要な働きを行うことが示唆された。次にIn Vivo試験ではEpi細胞上清では腹膜硬化モデルに比較し、有意に腹膜肥厚並びに腹膜癒着を改善したが、Fib細胞上清では反対に有意に腹膜肥厚並びに腹膜癒着の悪化が認められた。このことから、腹膜中皮細胞は分泌する液性因子も重要であることが示唆された。今後液性因子内のエクソソーム解析も行い、機序解明を目指したい。
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