血圧変動性増大は、新たな心血管危険因子であり、心血管疾患予防のための新たな治療ターゲットとなりうる。本研究の目的は、血圧変動性増大における降圧ペプチド(ANP、BNP、アドレノメデュリン)の役割解明、および血圧変動性の病態生理の理解と治療応用へ向けた基礎的研究データの提供である。本研究の動物実験により、アンジオテンシンII持続投与ラットは、血圧変動性のモデル動物として有用であることが判明し、臨床研究では、長期血圧変動性とANPやBNPの血中濃度との関連が明らかになった。今後、同モデルを用いることにより、変動性増大の病態解明および降圧ペプチドの治療応用も含めた治療手段の探索研究が可能である。
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