研究課題/領域番号 |
26461258
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
安西 尚彦 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70276054)
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研究分担者 |
JUTABHA Promsuk 獨協医科大学, 医学部, 助教 (90541748)
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20409155)
大谷 直由 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60711819)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 尿酸 / 高尿酸血症 / 膜輸送 / トランスポーター |
研究実績の概要 |
腎臓は尿酸の体外排泄の2/3を担う重要な臓器であり、その排泄低下が高尿酸血症発症につながる。長らく不明であった腎臓の尿酸代謝は、申請者らの研究グループにより腎尿細管に発現する複数の尿酸トランスポーター分子(URAT1, URATv1, NPT4)同定によって明らかになってきた。これら3分子は腎性低尿酸血症患者遺伝子解析ないし痛風に対する全ゲノム関連解析の結果、生理的および病態生理学的に特に重要と考えられ、申請者はヒト腎尿酸代謝理解につながる新たな「3ファクターモデル」を仮説として掲げるに至った。本研究は、腎臓の尿酸代謝に関する従来の基礎的および臨床的な検討結果との整合性を調べモデルの有用性を検証するとともに、本モデルへの適合性を基盤にした副作用としての血清尿酸値上昇を回避する創薬につなげることを目的とする。 平成26年度は、3ファクター(F)モデルのin vitroにおける検証および、3Fモデルのコンセプトを基にした尿酸排泄促進薬候補物質の同定を目指し、A) 3Fモデル実証に向けたURAT1/URATv1/NPT4 3重発現細胞の樹立とB) NPT4阻害化合物の尿酸トランスポーターURAT1及びURATv1の阻害効果の解析の2点から解析を進めることを予定した。 その結果、B)のNPT4に比較的強い阻害効果を示す化合物のURAT1およびURATv1に対する効果の検討を行い、それぞれ強弱があることを明らかにできたが、A)の3重発現細胞の樹立は思うような結果が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施概要に記載の通り、URAT1/URATv1/NPT4 3重発現細胞の樹立は達成されなかった。MDCKという細胞がリポフェクション法による遺伝子導入が容易ではないことも一因として考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
鳥取大学生命機能研究支援センターの大林徹也先生の持つほ乳類人工染色体ベクターは、同時に複数のplasmidを導入出来るという利点を持つ。現在大林先生を研究協力者とし、共同でのマウス腎尿細管由来細胞S2に空の染色体を持つ細胞を樹立を既に対策として進めており、その樹立後にはそこにURAT1/URATv1/NPT4のplasmidを組み込んでURAT1/URATv1/NPT4 3重発現細胞の樹立を試みることを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施概要に記載の通り、URAT1/URATv1/NPT4 3重発現細胞の樹立は達成されなかった。このため、予定をしていたURAT1/URATv1/NPT4 3重発現細胞を用いたNPT4に比較的強い阻害効果を示す化合物のURAT1およびURATv1に対する効果の検討がずれこんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後の研究の推進方策に記載の通り、問題解決のためにマウス腎尿細管由来細胞S2に空の染色体を持つ細胞の樹立を行い、その後そこにURAT1/URATv1/NPT4のplasmidの組み込みを行って、URAT1/URATv1/NPT4 3重発現細胞の樹立を試みる。これらの実験に必要なアイソトープや消耗品・試薬を購入する費用として次年度使用額を充てる。
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