研究課題/領域番号 |
26461262
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小山 彩世子 (オグラサヨコ) 日本大学, 医学部, 助手 (30618202)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 食塩感受性高血圧 / 11bHSD2 / NCC |
研究実績の概要 |
間欠的低酸素で尿細管におけるNCCが活性化し、食塩感受性高血圧を示している可能性が昨年までに確認できたため、NCCの活性化のメカニズムを本年度は主に実施した。
腎臓では11bHSDによりコルチゾールによるMineralcoritoid receptorの活性が制御されている。しかし虚血(低酸素)により11bHSD2活性が低下し、Mineralcorticoid receptorが活性化する事が報告(The FASEB Journal 17(8):917-9 2003)があるため、我々の間欠的モデルの腎臓での11bHSD2のmRNA発現をRT-PCR法で解析した。以前我々の報告ではGRの活性化はWNK4を介したNCCの活性化につながるため、間欠的低酸素モデルのラットにGR-blocker(Mifepristone)とMR-blocker(Eplerenone)を投与し間欠的低酸素でのNCCの発現の変化も確認した。間欠的低酸素によって腎臓での11bHSDのmRNA発現には変化が見られず、GR-blocker, MR-blockerともにNCCの発現の変化も認められなかった。
NCCの発現については間欠低酸素によって膜蛋白での発現のみならず、総蛋白でも発現が増加してることが確認できた。またmRNAの発現も増加を認めていた。このことから間欠的低酸素によるNCCの活性化が転写による発現の増加による可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、平成28年度は最終年度であり、マウス用の間欠低酸素装置を導入し、遺伝子改変動物(NCCノックアウトマウスなど)で解析を行う予定であった。しかし産休・育休となったためマウス用の間欠的低酸素装置の条件を設定するところまでで、解析を行うことができなかった。平成29年度はマウスの間欠的低酸素装置の条件を設定し、ラットで見られている変化を遺伝子改変動物を用いて確認する。
また転写レベルでのNCCの発現の増加が認められているため、尿細管細胞を用いたin vitroの解析の準備も平成28年度中でまだ終了しておらず、平成29年度に引き続き行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
間欠的低酸素によるNCCの活性化と食塩感受性をさらに検討するため遺伝子改変動物(NCCノックアウトマウス)を用いて解析を行うため、マウスの間欠的低酸素負荷の装置を設置する。以前のラット用の装置を改変し、さらに条件設定をおこなう必要がある。
NCCの発現調節については転写レベルにおける低酸素関連遺伝子(HIF)の関与を検討するため、細胞(mDCT)を用いたin vitroの解析を始める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は産休に入ったため、研究費を使用していない。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度に行うべきであった遺伝子改変動物(マウス)における実験と細胞(in vitro)の実験を継続する。また可能であれば学会発表を行う。
|