研究課題/領域番号 |
26461266
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小野 賢二郎 金沢大学, 大学病院, 講師 (70377381)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / 高速原子間力顕微鏡 |
研究実績の概要 |
研究の目的:アルツハイマー病における病態解明、新たな予防・治療法の開発に向けて、アミロイドβ蛋白(Aβ)の凝集過程を高速AFM(原子間力顕微鏡)を用いてリアルタイムで観察する試験管内モデルを開発・確立し、詳細なAβ凝集過程を明らかにする。 研究実施計画:①試料の準備として、サイズ排除クロマトグラフィーを用いてAβ42溶液をinjectし、不溶画分である成熟線維をのぞき、主にモノマーであるLow molecular weight peak(LMW)とプロトファイブリル(protofibril :PF)のpeakを取り出す。取り出してきたLMW peakとPF peakについて高速AFMを用いて観察する。②高速AFMでサンプルをのせるマイカ上の条件を検討し、最適の観察条件を決め、Aβ線維形成を観察する。 研究結果:①サイズ排除クロマトグラフィーを用いてfreshなAβ42溶液から、主にモノマーであるLow molecular weight peak(LMW)とプロトファイブリル(protofibril :PF)の抽出を行い、電子顕微鏡や電気泳動で確認した。②LMWをインキュベートして線維形成を含む凝集過程の観察条件を決定した。その結果、LMWのインキュベートにより線維がstepwiseに形成されるだけでなく、線維伸長には一方向優位性があることが分かった。 結論:LMWからの線維形成は、stepwiseで一方向優位性に伸長する。今後は、PFからの線維形成を観察し、LMWからの線維形成と比較解析する。また、PFや成熟線維の脱重合過程に関しても検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度の予定していた試料の準備、観察条件が確立した。また、平成27年度に予定していたLMWからの線維形成の観察が終了した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降は、プロトファイブリル(PF)からの線維形成の条件を確立し、LMWからの線維形成と比較解析する。また、PFやや成熟線維の脱重合過程についても観察を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想されていたよりはやくAFMの至適な観察条件が確立し、平成26年度の費用が節約できたため、それに伴う経費は繰り越しした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、プロトファイブリル(PF)からの線維形成を観察し、LMWからの線維形成と比較解析する。また、PFや成熟線維の脱重合過程に関しても検討する。これらの画像を内部構造も含めて詳細に解析する。PFは不安定なため、試料の準備や観察には時間がかかることも予想され、平成26年度からの繰り越し分の費用も使用して研究を行う。
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