初代培養細胞を用いて、アストロサイトアミロイドで処置されたアストロサイトでは、カルシウム流入を介してカルシニューリンの活性化が起こり、その結果IGFBPの放出が起こることを示した。IGFBPは成長因子であるIGFと結合し、その活性を阻害することが知られている。さらにIGFは神経細胞におけるタウのリン酸化を抑制し、IGFBPは促進する働きがあることを培養細胞系にて示した。これらの実験結果は、アミロイドの影響が直接神経細胞に働きかけるのみならずグリア細胞を介したメカニズムでも神経変性を引き起こしうることを示したものであり、治療のターゲットとしてアストロサイトも念頭に置く必要があると考えられた。
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