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2016 年度 実績報告書

Charcot-Marie-Tooth病の分子病態の解析と治療薬探索

研究課題

研究課題/領域番号 26461275
研究機関鹿児島大学

研究代表者

岡本 裕嗣  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (60709658)

研究分担者 中川 正法  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198040)
高嶋 博  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80372803)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードCharcot-Marie-Tooth病 / HMSN-P / 次世代シークエンサー / クルクミン / 小胞体ストレス
研究実績の概要

Charcot-Marie-Tooth病(以下CMT)は、臨床的および遺伝的に多様であり、50以上の原因遺伝子が報告されている。2007年からCMT原 因遺伝子の包括的遺伝子診断を実践し、2012年5月から、次世代シークエンサーを利用して対象遺伝子を増やすと共に治療法探索のた めの研究をすすめている。182例中42例(23%)に原因遺伝子を同定した。確定診断の精度を上げていくことにより新規原因遺伝子MMEの発見や、新しいアプローチとしてのミトコンドリアニューロパチーの原因遺伝子の発見、本邦初報告例やGDAP1,MFN2など既報告遺伝子においても新しい知見を得られた。
治療への取り組みとしてCMTモデルマウスにおけるクルクミン治療の有効性と作用機序を同定し、クルクミンに異常タンパク蓄積の軽減作用があることを確認した。またバイオアベイラビィリティーについても吸収性のよい細粒化クルクミンを同定(セラクルミン)し、開発企業と連携をとり本年度より治験を開始する。この研究はCMT1A以外のCMTに対しても行う予定である。
また、沖縄地域に多く発症するHMSN-Pに対する治験の準備も進めている。HMSN-Pは沖縄・滋賀に2大集積地をもち、脊髄性筋萎縮症にsensory neuropathyを 合併した臨床像をもつ疾患で、TRKfused gene (TFG) が原因である。TFG遺伝子は、小胞体からGolgi体を通じて細胞胞外に蛋白が分泌される小胞愉送に関与しており,病態の関与に小胞体ストレスの増悪が考えられ、クルクミンが有効である可能性がある。同疾患の集積地で我々の関連施設である沖縄病院の倫理委員会 を通過し、同疾患に対するクルクミンの臨床研究も平成29年度から行うこととなっている。これまで、特別な治療研究が行われてこなかった疾患であり、結果が待たれる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] WNK1/HSN2 Founder Mutation in Patients with Hereditary Sensory and Autonomic Neuropathy: a Japanese cohort study.2017

    • 著者名/発表者名
      Yuan JH, Hashiguchi A, Yoshimura A, Sakai N, Takahashi MP, Ueda T, Taniguchi A, Okamoto S, Kanazawa N7, Yamamoto Y, Saigoh K, Kusunoki S, Ando M, Hiramatsu Y, Okamoto Y, Takashima H.
    • 雑誌名

      Clin Genet.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/cge.13037.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Clinical diversity caused by novel IGHMBP2 variants.2017

    • 著者名/発表者名
      Yuan JH, Hashiguchi A, Yoshimura A, Yaguchi H, Tsuzaki K, Ikeda A, Wada-Isoe K, Ando M, Nakamura T, Higuchi Y, Hiramatsu Y, Okamoto Y, Takashima H.
    • 雑誌名

      J Hum Genet.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1038/jhg.2017.15.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Clinical and mutational spectrum of Japanese patients with Charcot-Marie-Tooth disease caused by GDAP1 variants.2017

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura A, Yuan JH, Hashiguchi A, Hiramatsu Y, Ando M, Higuchi Y, Nakamura T, Okamoto Y, Matsumura K, Hamano T, Sawaura N, Shimatani Y, Kumada S, Okumura Y, Miyahara J, Yamaguchi Y, Kitamura S, Haginoya K, Mitsui J, Ishiura H, Tsuji S, Takashima H.
    • 雑誌名

      Clin Genet.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/cge.13002.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Next-generation sequencing analysis for mitochondrial disorders in adult Japanese patients.2016

    • 著者名/発表者名
      Y. Okamoto; J. Yuan; A. Yoshimra; Y. Hiramatsu; M. Ando; A. Hashiguchi; H. Takashima
    • 学会等名
      ASHG2016
    • 発表場所
      Vancouver (Canada)
    • 年月日
      2016-10-18 – 2016-10-22
    • 国際学会
  • [学会発表] Charcot-Marie-Tooth diseaseにおけるミトコンドリア関連遺伝子の検討2016

    • 著者名/発表者名
      平松 有, 岡本裕嗣,吉村明子, 安藤匡宏, 袁 軍輝,橋口昭大,樋口雄二郎, 辻 省次, 髙嶋 博
    • 学会等名
      日本末梢神経学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場 (大阪府,大阪市)
    • 年月日
      2016-08-26 – 2016-08-27
  • [学会発表] 次世代シークエンサーを用いたミトコンドリア病の原因遺伝子の同定2016

    • 著者名/発表者名
      岡本裕嗣, 平松 有, 吉村明子, 袁 軍輝,安藤匡宏, 樋口雄二郎, 橋口昭大, 石浦浩之, 三井純, 辻 省次, 髙嶋 博
    • 学会等名
      日本神経学会学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県,神戸市)
    • 年月日
      2016-05-18 – 2016-05-21
  • [学会発表] シャルコー・マリー・トゥース病の診療のポイント2016

    • 著者名/発表者名
      岡本裕嗣
    • 学会等名
      日本神経学会学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県,神戸市)
    • 年月日
      2016-05-18 – 2016-05-21
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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