研究課題/領域番号 |
26461276
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264782)
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研究分担者 |
田中 雅樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80264753)
水田 依久子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80397760)
大原 亮 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80636986) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | CADASIL / Notch / transendocytosis |
研究実績の概要 |
【目的】Cerebral Autosomal Arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy (CADASIL)はNOTCH3が原因遺伝子である遺伝性脳小血管病であるが、その機序はまだ十分解明されていない。Notch signalの活性化には、受容体として働くNotch細胞外ドメインが、Jaggedなどのリガンド蛋白と結合後にリガンド発現細胞内へ取り込まれるtransendocytosisが重要である提唱されている。申請者らが提唱している変異型NOTCH3のtransendocytosis障害によるCADASIL発症機序の解明のため、平成28年度は昨年度に引き続き、合成ペプチドによるendocytosisを細胞レベルで検証した。またtransendocytosisの可視化のため、NOTCH3細胞外ドメイン発現細胞とJAGGED発現細胞の共培養を行った。 【方法】昨年樹立したJagged発現細胞株を用いて、合成したヒト野生型NOTCH3細胞外断片とCADASIL変異型ヒトNOTCH3細胞外断片の取り込みを観察した。またNOTCH3細胞外ドメイン発現細胞とJAGGED発現細胞の共培養を行い、NOTCH3細胞外断片とJaggedの結合の可視化を試みた 【結果】野生型NOTCH3細胞外断片ではJagged発現細胞に多数取りこまれるのに対して、変異型ではほとんど取り込まれないことを認めた。しかしNOTCH3細胞外断片とJaggedの結合は一部で認められたが、十分な定量はできていない。 【結論】変異型NOTCH3細胞外ドメインのtransendocytosisが障害されていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的である野生型と変異型NOTCH3細胞外ドメインのtransendocytosisには違いを認めたが、NOTCH3細胞外ドメインとJagged発現細胞の結合の証明がまだ不十分であり、論文化には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後NOTCH3細胞外ドメインとJagged発現細胞の結合を明らかにして、transendocytosisの動態を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
NOTCH3細胞外ドメインとJagged発現細胞の結合を示す追加実験が必要なため
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次年度使用額の使用計画 |
細胞培養およびおよび蛋白発現を確認するための消耗費
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