α-ジストログリカン(α-DG)は糖鎖を介して細胞外のラミニンと結合することで細胞膜を安定化している。α-DGの糖鎖修飾に関わる糖転移酵素の遺伝子異常は筋ジストロフィー、脳奇形、眼球異常など多彩な症状を呈しこれらはα-ジストログリカノパチーと呼ばれる。本研究ではこの原因となる糖転移酵素の投与によりα-DGの糖鎖修飾を回復させて疾患治療を目指す糖転移酵素補充療法の開発に向けての基礎的な研究を行った。そしてCRISPR/Cas9のゲノム編集技術により培養細胞を用いた糖転移酵素補充療法のアッセイ系を確立するとともに、糖転移酵素を小胞体へ運搬するための担体としてリシンBサブユニットの利用を提唱した。
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