研究課題/領域番号 |
26461300
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
池川 雅哉 同志社大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60381943)
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研究分担者 |
近藤 誉之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50322756)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / EAEマウス / イメージングマススペクトロメトリー / バイオマーカー / プロテオミクス / メタボロミクス |
研究実績の概要 |
本研究では、多発性硬化症の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎モデル(Experimental Autoimmune Encephalomyelitis: EAE) マウスを作成し、中枢神経系のイメージング・マススペクトロメトリー解析を行い、神経学的症状の表れる前から変動するプロテオミック、メタボロミック マーカーの特定を行う。
平成26年度: これまでのプロトコールに従い、SJLマウスにPLPをフロイント完全アジュバントとして免疫すると10~11日目にEAEの症状が出現した。その症状の強さを定法に従って4段階に分類し、投与日程から病状の把握と平均的なプロファイルを得た。今回もこれまでの成果を完全に再現できた。個体間の臨床症状の変遷には、多少のvariationをこれまで同様に観察した。また、血清に関しては、ほぼ3~5日おきに、コントロール群およびEAE群の血清を採取し、解析まで―80度にて保存した。また、症状の出現し始めた11~13日をかわぎりに、onset, acute phase, chronic phaseを定義し、最大30日まで観察しすべての個体の組織を採取した。まず、脊髄を対象としたイメージング・マススペクトロメトリー解析を行い、炎症細胞の浸潤や脱髄の形態変化を観察した。現在、MALDI-MS Imagingの実験に着手し、ペプチド、タンパク質レベルの情報が得られるかの検証をスタートした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度に計画していたEAEモデルの作成と試料採取は、100%実行できた。また、HE染色などの検討で、本モデルにおいて典型的な急性期病理として、神経脱髄や免疫細胞の浸潤を認めた。
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今後の研究の推進方策 |
神経学的症状の表れる前から変動するバイオマーカーの特定を試みる。中枢神経系において進行している病理学的変動をどれだけ早く捉えられるかについて、潜在しているヒト脳病理としてNormal Appearing White Matter (NAWM)という概念が提唱されているが、本研究によって、動物モデルにおけるNAWMの生化学的根拠や血液を対象としたプロテオミクス解析との比較が可能となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
モデルマウス作成に計上していた費用を実際の作成が年度をまたいだため次年度使用額が生じてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き、モデルマウス作成並びに解析費用として使用する予定である。
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