研究課題
パーキンソン病や多系統萎縮症は一次的にα-シヌクレイン蛋白の異常蓄積を来す疾患である。申請者らは多系統萎縮症患者の生体脳内においてはα-シヌクレイン蛋白凝集体の可視化を[11C]BF-227 PETを用いて世界で初めて可能にしてきた。本研究では [11C]BF-227 PETによる非侵襲的な生体脳内のα-シヌクレイン蛋白凝集体の蓄積量測定がパーキンソン病の早期診断、病期進行の指標、治療の効果判定に応用できるかどうかを検討することを目的としている。本研究は平成26年度から28年度までの3年計画を予定しており、平成26年度では対象患者のピックアップを中心に、簡易認知機能評価(MMSE)や重症度評価(UPDRS)などの各種評価、脳MRI及び[11C]BF-227 PET検査を行うことであった。今までに多くのパーキンソン病患者から検査同意を取得することができた。検査同意を取得できたパーキンソン病患者のうち8人について、各種評価、脳MRI及び[11C]BF-227 PET検査を行った。一方で、パーキンソン病が疑われる患者(重度の嗅覚障害がある患者、あるいはα-シヌクレインの2重重複や3重重複の遺伝子異常があり運動症状を発症していない患者など)のピックアップが遅れており、関連病院から積極的に患者を紹介してもらうことを検討している。今後、PET検査施行の症例数を増やし、画像解析を行っていく予定である。
3: やや遅れている
研究対象であるパーキンソン病患者の同意取得、各種評価、脳MRI検査施行まで順調に遂行できているが、パーキンソン病が疑われる患者(重度の嗅覚障害がある患者、あるいはα-シヌクレインの2重重複や3重重複の遺伝子異常があり運動症状を発症していない患者など)のピックアップが遅れている。
パーキンソン病が疑われる患者について、関連病院から積極的に患者を紹介してもらいながら、検査の同意取得可能な症例を蓄積していく。今後、PET検査施行の症例数を増やし、データ収集を行うとともに画像解析を行っていく予定である。
パーキンソン病が疑われる患者のピックアップが遅れており、その患者のPET検査などが施行できていない。そのため、今年度分の助成金を使用しきれていない。
今年度に施行できなかったPET検査及びデータ収集を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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