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2015 年度 実施状況報告書

パーキンソン病における脳内αーシヌクレイン凝集体の画像化とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 26461303
研究機関東北大学

研究代表者

菊池 昭夫  東北大学, 大学病院, 助教 (80463785)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードパーキンソン病 / PET / [11C]BF-227 / α-シヌクレイン
研究実績の概要

パーキンソン病の病理学的特徴はα-シヌクレイン蛋白の異常蓄積である。本研究では [11C]BF-227 PETによる生体脳内のα-シヌクレイン蛋白凝集体の蓄積量測定がパーキンソン病の早期診断、病期進行の指標、治療の効果判定に応用できるかどうかを検討することを目的としている。
本研究は平成26年度から28年度までの3年計画を予定しており、平成26年度計画(対象患者のピックアップを中心に、簡易認知機能評価(MMSE)や重症度評価(UPDRS)などの各種評価、脳MRI及び[11C]BF-227 PET検査を行う)を継続するとともに、PETデータを収集し、種々の画像解析ソフトを用いて横断的に統計解析を行うことであった。今までに多くのパーキンソン病患者から検査同意を取得することができ、2年間で検査同意を取得できたパーキンソン病患者のうち17名について、各種評価、脳MRI及び[11C]BF-227 PET検査を行った。さらに、そのうち8名に2回目の[11C]BF-227 PET検査を施行した。PMDO (ver 3.6)ソフトを用いて、17名のパーキンソン病患者群と正常者群と比較したところ、前頭葉、中心前回、補足運動野、帯状回、被殻、淡蒼球に[11C]BF-227の集積亢進を認めた。8名のパーキンソン病患者の経時的変化では、前頭葉、中心前回、補足運動野、帯状回、被殻で有意差をもって経時的に集積増加を認めた。このように病期進行の指標、治療の効果判定に応用できる可能性が示唆されている。一方で、パーキンソン病が疑われる患者5名(重度の嗅覚障害がある患者、あるいはα-シヌクレインの2重重複や3重重複の遺伝子異常があり運動症状を発症していない患者など)のピックアップが遅れており、関連病院から積極的に患者を紹介してもらうように依頼をかけている。今後、PET検査施行の症例数を増やし、画像解析を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究対象であるパーキンソン病患者の同意取得、各種評価、脳MRI検査、[11C]BF-227 PET検査施行し、横断的・縦断的評価まで順調に遂行できているが、パーキンソン病発症が疑われる患者(重度の嗅覚障害がある患者、レム睡眠期行動異常患者、あるいはα-シヌクレインの2重重複や3重重複の遺伝子異常があり運動症状を発症していない患者など)のピックアップが遅れている。

今後の研究の推進方策

パーキンソン病発症が疑われる患者(重度の嗅覚障害がある患者、レム睡眠行動異常患者、あるいはα-シヌクレインの2重重複や3重重複の遺伝子異常があり運動症状を発症していない患者など)について、関連病院から積極的に患者を紹介してもらいながら、検査の同意取得可能な症例を蓄積していく。今後、さらに[11C]BF-227 PET検査施行の症例数を増やすとともに、[11C]PIB PETも順次施行しデータ収集を行うとともに画像解析を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

パーキンソン病発症が疑われる患者のピックアップが遅れており、その患者のPET検査などが施行できていない。また、[11C]BF-227 PET検査施行患者に[11C]PIB PET検査が施行できていないため、今年度分の助成金を使用できていない。

次年度使用額の使用計画

今年度に施行できなかった、[11C]BF-227 PETならびに[11C]PIB PET検査及びデータ収集を次年度に行うこととし、各種PET検査費用ならびに画像解析ソフト購入などに、未使用額を充てることとしたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Variants associated with Gaucher disease in multiple system atrophy.2015

    • 著者名/発表者名
      Mitsui J, Matsukawa T, Sasaki H, Yabe I, Matsushima M, Durr A, Brice A, Takashima H, Kikuchi A, et al.
    • 雑誌名

      Ann Clin Transl Neurol

      巻: 2 ページ: 417-426

    • DOI

      10.1002/acn3.185

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Longitudinal [11C]BF-227 PET study in MSA-C patients2015

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi A, Okamura N, Tashiro M, Furumoto S, Hasegawa T, Watanuki S, Hiraoka K, Funaki Y, Kobayashi M, Sugeno N, Baba T, Konno M, Miura E, Oshima R, Yoshida S, Iwata R, Takahashi S, Fukuda H, Itoyama Y, Arai H, Kudo Y, Yanai K, Aoki M, Takeda A.
    • 学会等名
      19th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2015-06-14 – 2015-06-18
    • 国際学会
  • [学会発表] [11C]BF-227 PETにおける多系統萎縮症脳内α-シヌクレインの経時的変化2015

    • 著者名/発表者名
      菊池昭夫、岡村信行、馬場 徹、長谷川隆文、菅野直人、今野昌俊、三浦永美子、大嶋龍司、吉田隼、古本祥三、平岡宏太良、谷内一彦、田代 学、工藤幸司、糸山泰人、武田 篤、青木正志.
    • 学会等名
      第56回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ (新潟)
    • 年月日
      2015-05-20 – 2015-05-23

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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