研究課題
パーキンソン病(PD)の病理学的特徴はα-シヌクレイン蛋白の異常蓄積である。[11C]BF-227 PETがPDの生体脳内のα-シヌクレイン蛋白凝集体を可視化でき、早期診断、病期進行の指標、治療の効果判定に応用可能かどうかを検討することを目的としている。[11C]BF-227はα-シヌクレインのみならず、アミロイドβにも結合することが知られている。[11C]PiBはアミロイドβのみに結合することから、両プローブのPETを施行することにより、[11C]BF-227がα-シヌクレインとアミロイドβのどちらに結合していたのかが判明する。最終年度は、[11C]BF-227 PETを施行したPD患者のうち4名に[11C]PiB PET検査を施行した。最終的に、[11C]BF-227 PETを18名に施行し、そのうち13名に[11C]PiB PET検査した。[11C]PiB PETを施行した13名のうち、2名に[11C]PiB集積亢進を認めた。この2名と[11C]PiB PETを施行しなかった5名を除いて、11名をPMDO (ver 3.6)ソフトを用いて解析した。また、11名のうち5名に2回目の[11C]BF-227 PETを施行し、経時的変化についても解析した。PD患者群(11名)は正常者群(14名)と比較して、中心前回、中心後回で有意に集積亢進を認めていた(p<0.05)。一方、黒質、被殻、淡蒼球、視床などでは集積亢進を認めなかった。経時的変化では、眼窩前頭回、扁桃体、前帯状回、後帯状回、島、淡蒼球で有意差をもって集積亢進を認めていた(paired t-tests, p<0.05)。また、被殻、尾状核では集積亢進傾向を認めていた。PDにおいて、α-シヌクレインは中心前回、中心後回を中心に蓄積し、遅れて大脳辺縁系に蓄積してくる可能性が示唆された。
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