研究課題/領域番号 |
26461307
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平野 成樹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375756)
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研究分担者 |
古川 彰吾 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (00722943) [辞退]
篠遠 仁 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 上席研究員(任非) (10178882)
島田 斉 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主任研究員(定常) (10422239)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タウオパチー / 進行性核上性麻痺 / 大脳皮質基底核変性症 / 脳糖代謝画像 / 脳血流画像 / ネットワーク解析 / 診断能 |
研究実績の概要 |
進行性核上性麻痺および出汁脳皮質基底核変性症は難治性の神経変性疾患であるが、病初期はパーキンソン病やその他の非定型パーキンソン症候群との区間別が困難であり、病理学的診断に基づくと、しばしば診断に誤りがあることが知られている。本研究では、進行性核上性麻痺および大脳皮質基底核変性症の脳代謝画像を用いて健常者との比較における疾患特異的脳代謝ネットワークを抽出し、それを別の症例群における脳血流画像検査にて診断が可能かを検討した。脳糖代謝画像を撮像したのは13名の進行性核上性麻痺、12名の大脳皮質基底核症候群および19名の健常対象群である。各疾患について健常者群と比較することでコンピューターを用いた主成分分析による客観的な疾患特異的脳共変量パターンを抽出した。進行性核上性麻痺では中脳、視床内側、および前頭葉内側に左右対称性の相対的代謝低下領域を認めた。一方、大脳皮質基底核症候群では罹患肢体側の外側前頭葉、罹患肢体側視床、前頭葉内側部などに左右非対称性の相対的代謝低下領域を認めた。これらのパターンを用いて、別に用意した脳血流画像(進行性核上性麻痺17名、大脳皮質基底核症候群16名、多系統萎縮症32名、パーキンソン病120名、健常者17名)にて妥当性を評価するため個人スコアを計算した。健常者と進行性核上性麻痺、健常者と大脳皮質基底核変性症との分離は有意に認められたが、進行性核上性麻痺と大脳皮質基底核変性症との間の区別は困難であった。一方進行性核上性麻痺と大脳皮質基底核症候群とその他のパーキンソン症候群では有意に差を認めた。進行性核上性麻痺および大脳皮質基底核症候群の脳代謝パターンは、鑑別診断の一助になる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
画像の撮像およびパターン抽出は終了しているが、現時点では進行性核上性麻痺と大脳皮質基底核変性症の区別が困難である。既報告では、大脳半球を半分にわって、各阪急を独立して解析することによって区別ができるとする報告が有り、追加で解析実験が必要であるが、それに必要な画像データや臨床データは全てそろっている。今後更なる画像解析をパターンを改善していく事に努める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後疾患パターンの脳半球を半分にしての再解析し、脳代謝画像を用いて作成した疾患パターンが脳血流画像を用いた診断妥当性についての論文化を目指す。また、これらのスコアとタウイメージングとの関連、症候との関連についても追加調査する予定である。臨床症候についてのデータ収集を行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
画像撮像は終了していて、多変量解析によるネットワーク抽出も終わっているが、妥当性の検討および臨床症候との連関、タウイメージングとの関連についての調査が終わっていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
コンピューターを用いた画像解析を続け更に良いデータを得られれば、学会発表および論文化し、その交通費および校閲費に使用する。
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