研究課題
本研究のテーマは地域在住で80歳以上の高齢者における血管内皮前駆細胞数、ω-3系脂肪酸及び脳画像的特徴と認知機能の関係の解明である。 平成27年度は超高齢者の血管内皮前駆細胞数、ω-3系脂肪酸および脳画像的特徴と認知機能との相関を評価する目的として先行研究の 対象者の追跡調査を行うことで新たに認知機能と血管弾性及び動脈効果との関連を見いだした。 平成29年9月より先行研究の参加者及び新規対象者(合計160余名)の検診を実施した。 血管内皮前駆細胞数をフローサイトメトリーで評価すると共に、血管内皮機能の指標となり得るABIやPWVなどを各種機器(Mobile-O-graph, Pasesaを用いて非侵襲的に評価することも並行して実施した。血液検査からはω-3脂肪酸を含め脂質や血糖など血管内皮障害に関与の可能性がある項目についてデータを集積した。脳画像検査としては頭部MRIで全脳容積評価を含めて、機能的磁気共鳴法(fMRI)や拡散テンソル画像法(DTI)も施行した。またJapanese version of Montreal Cognitive Assessment (MOCA-J)を中心に各種認知機能評価を行った。これらの結果をもとに今後血管弾性及び動脈硬化が認知機能に及ぼす影響を統計学的に解析評価する。また先行研究で得られたデータも利用し、経年的な認知機能の変化や血管内皮機能が認知機能に及ぼす縦断的な影響も改めて解析する。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
J Alzheimers Dis.
巻: 63 ページ: 365-372
10.3233/JAD-171153