研究課題/領域番号 |
26461315
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
児矢野 繁 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50315818)
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研究分担者 |
田中 章景 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30378012)
多田 美紀子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30722467)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | カルシウムシグナリング / ポリグルタミン病 |
研究実績の概要 |
カルシウムシグナリングの異常がポリグルタミン病に深く関わっているという仮説に基づき、ポリグルタミン病の各々の病因タンパクと結合するカルシウムチャネルサブタイプを同定する。特にポリグルタミン病のうちSCA6は病因タンパク質がCACNA1Aカルシウムチャネルであり、さらにこの分子はSCA2の病態にも影響を与えていることから各種ポリグルタミン病の病態形成におけるCACNA1Aカルシウムチャネルの関連性を明らかにするためにCACNA1Aカルシウムチャネル遺伝子CAGリピート数を測定し、同時に免疫組織化学的解析を行う。またポリグルタミン病の病因蛋白と結合するカルシウムチャネルサブタイプを同定するとともにポリグルタミン病の神経変性に対する抵抗性と脆弱性を示す脳各部位におけるカルシウムチャネルのサブタイプやカルシウム結合蛋白質の分布・発現量を免疫組織化学的手法および定量的な解析方法で正常脳と比較検討することで、選択的病変形成に係わるカルシウムシグナリング経路を解明する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5種類のポリグルタミン病85例(SCA1:10例, SCA2:10例, SCA3:30例, DRPLA:20例, ハンチントン病:15例)における各疾患の臨床的特徴(発症年齢、性差、運動障害の程度、進行度、自律神経障害や精神障害などの有無)を検討している。 さらに5種類のポリグルタミン病の剖検脳20例(SCA1:4例, SCA2:3例, SCA3:5例, DRPLA:3例, ハンチントン病:5例)における各疾患の病理的特徴(細胞数とグリオーシス、ポリグルタミン蛋白免疫染色病変、核内封入体)を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、正常の剖検脳(3例)と5種類のポリグルタミン病の剖検脳20例(SCA1:4例, SCA2:3例, SCA3:5例, DRPLA:3例, ハンチントン病:5例)においてカルシウムチャネルのサブタイプとカルシウム結合蛋白質であるカルビンジン、カルモジュリンとカルレティキュリンなどの各種抗体による免疫染色から各疾患の発現部位の分布を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予想されていた各疾患毎の遺伝子検索にかかる費用が、まだ十分施行されていなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降は各疾患毎の遺伝子検索および脳の凍結組織(SCA1, SCA2, SCA3, DRPLA, ハンチントン病)のホモジネートから得られるタンパク質を各原因蛋白の抗体を利用して免疫沈降、ウェスタンブロットなどに使用する予定である。
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