研究課題/領域番号 |
26461320
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 教授 (70197234)
|
研究分担者 |
永田 栄一郎 東海大学, 医学部, 准教授 (00255457)
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
増田 治史 東海大学, 医学部, 准教授 (50278496)
木村 啓志 東海大学, 工学部, 准教授 (40533625)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 単球培養細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 脳梗塞 / 細胞移植 |
研究実績の概要 |
脳主幹動脈閉塞患者では血行力学的脳梗塞を来すが、血行再建術を含め明確な治療法は確立されていない。本研究の目的は、我々が独自に開発した新規培養法による血管再生能に優れた血管内皮前駆細胞(EPC)を局所動注し、血管再生・梗塞巣縮小効果を評価することである。この目的のため、①量的/質的に優れた分化能を示すEPC増殖培養法を確立し、②Neurovascular unitを再現したマイクロ流体デバイス細胞培養系で、EPCの至適投与条件を確立し、③マウス中大脳動脈閉塞モデルでヒトないしマウスEPC動注による同細胞のhoming・分化、梗塞容積縮小、側副血行路の改善を検証する。さらに④脳梗塞患者を対象にEPCの細胞動態を解析して、血管再生促進培養法による自己EPC投与での脳梗塞巣縮小や血管再生効果を検討する。 本年度は①のEPC培養は確立できており、さらに量的/質的にも再生分化能が高いEPC細胞を含む再生アソシエイト細胞の樹立も成功している。②に関しては、Neurovascular unitを形成させるために必要な、内皮細胞、アストロサイト、ペリサイトを入手し、現在、マイクロデバイス内に血管形成をさせるために、循環させる培養液の流量や形成させる血管口径、血管長の至適条件につき検討している。③マウス永久中大脳動脈閉塞モデルに同種のマウスEPCを含む再生アソシエイト細胞の移植実験では、脳虚血後3日目に移植するのが、梗塞巣の拡大を防ぐことができた。また、移植する再生アソシエイト細胞をGFPトランスジェニックマウスより採取し、移植したが、ごく少数の細胞が梗塞巣境界部に集積しているのを確認した。④現在当大学倫理委員会の承認を得て、慢性期の脳梗塞患者に関してEPCを含む再生アソシエイト細胞の検体を集めている最中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①に関しては、既に共同研究者である浅原・増田により完成され、確立された。(100%) ②に関しては、共同研究者である木村らにより、血液脳関門を作成するデバイスの容量を決定し、現在デバイス内に管腔構造を有した血管構築をするための培養条件を検討している。(40%) ③に関しては、マウス中大脳動脈閉塞モデルにおいて、ヒトEPCを含む再生アソシエイト細胞ならびに同種のEPCを含む再生アソシエイト細胞の移植実験はほぼ終了しており、現在脳梗塞後どの時期に、どれぐらいのEPCを含む再生アソシエイト細胞を移植すべきかを検討している。(90%) ④現在当大学倫理委員会の承認を得られたので、患者およびコントロールの血清を採取し始めている。(40%)
|
今後の研究の推進方策 |
①脳梗塞患者においても現在のEPCを含む再生アソシエイト細胞を培養する方法でよいかを検討する。さらにEPCを含む再生アソシエイト細胞より分泌されるサイトカインのプロファイリングを行う。 ②マイクロデバイス内の血管形成にEPCを含む再生アソシエイト細胞がどのような役割を果たすかを、EPCを含む再生アソシエイト細胞を投与して検討する。 ③に関しては、既にデータが蓄積されてきているので、今後早期に論文化していく。 ④既に本研究は開始されており、症例数を増やしていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
脳梗塞患者のEPCの特性を検討するためにサイトカインのプロファイリングを検討する必要が生じてきた。
|
次年度使用額の使用計画 |
サイトカインのプロフェイリングを検討するためにサイトカインアレイキットの購入や、該当するサイトカインの抗体の購入が必要である。
|