研究課題/領域番号 |
26461320
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 教授 (70197234)
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研究分担者 |
永田 栄一郎 東海大学, 医学部, 教授 (00255457)
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
増田 治史 東海大学, 医学部, 准教授 (50278496)
木村 啓志 東海大学, 工学部, 准教授 (40533625)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 単核球培養 / 血管内皮前駆細胞 / 脳梗塞 / 細胞移植 |
研究実績の概要 |
脳梗塞の急性期治療として発症4.5時間以内は血栓溶解療法、8時間以内は血管内治療が適応となるが、実際の臨床現場では脳梗塞全体の10%以下しか加療されていない。すなわち、90%以上の脳梗塞患者は、再発予防を目的とした抗血栓薬投与やリハビリテーションに頼らざる終えない。またrt-PA静注療法を施行できても、3ヶ月後の完全自立者(modified Rankin Scale:mRS で0または1)は40%以下に留まっている(Stroke,2010)。こうした現状を打開すべく、我々は神経細胞の保護・再生とともに栄養血管新生による血行改善が最も重要であると考える。我々は新規培養法による血管再生能に優れた血管内皮前駆細胞を含有する単核球群(Quality and quantity mononuclear cells: QQ-MNCs)をマウス中大脳動脈永久閉塞モデルに局所動注し、血管再生・梗塞巣縮小効果を評価した。中大脳動脈閉塞後翌日にQQ-MNCsを動注するとコントロールと比較して梗塞後7日目、21日目ともに梗塞巣の減少を認めた。さらに、ペナンブラ領域の新生血管数はPBS動注群と比較して、QQ-MNCs群(1X104個)において有意に増加しており、QQ-MNCsによる血管新生能が示された。血管新生に重要な因子であるVEGFとIL-10が、QQ-MNCs群(1X104個)動注群の7日目でコントロール群(PBS動注群)と比較して有意に上昇していたことより、この時期に血管新生もしくは、抗炎症作用が強く働くことが重要と考えられる。引き続いてヒト脳梗塞を対象とした臨床研究に繋げていくためにも、今回の結果は重要な基礎データである。今後は、QQ-MNCsの閉塞からの投与時期、投与量の検討と、QQ-MNCs中のEPCの脳梗塞に対する役割を明確にする必要がある。
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