本研究は、レヴィ小体病の各病型でアミロイドの脳内分布を明らかにし、ブドウ糖代謝・ドパミン系画像による脳機能の変化との関連を調査することが目的である。そのため、 1)11C-PiB PET・18F-FDG PET・11C-CFT PET・11C-raclopride PETなどを用いて、それぞれの集積分布パターンを評価する手法(関心領域設置法・統計画像法など)を最適化する。 2)1)の手法を用いて、健常者・レヴィ小体病であるパーキンソン病・レヴィ小体型認知症普通型・レヴィ小体型認知症純粋型・純粋自律神経不全症において、それぞれの放射性薬剤集積の分布パターンを見いだす。アルツハイマー病患者においては、11C-PiB PETと18F-FDG PETを実施し、アルツハイマー病とレヴィ小体病各病型との違いを明らかにする。 3)11C-PiB PETで画像化するアミロイドβタンパクの集積パターンと、他のPETによる脳機能画像・被験者の症候との関連を見いだし、アミロイドβタンパクと脳機能・代償機能の関連を見いだす。 昨年度は、PMOD 3.6内臓の部分容積補正およびAutomated Anatomical Labeling(AAL)を用いた自動設置関心領域法により、脳内の集積を算出した。本年度は、SPM 8上のDiffeomorphic Anatomical Registration using Exponentiated Lie algebra(DARTEL)法を用いた空間的標準化法の応用し解析した。 2つの解析方法とも同様の結果を示し、すなわち、Precentral gyrusなどの領域でアルツハイマー病とレヴィ小体型認知症普通型の11C-PiB集積が増加していたが、レヴィ小体型認知症普通型のみで集積している領域はなかった。
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