研究課題/領域番号 |
26461323
|
研究機関 | 滋賀県立成人病センター(研究所) |
研究代表者 |
山内 浩 滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 副所長 (40360812)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 脳・神経 / 脳卒中 / 分子イメージング / ポジトロンCT / 神経細胞障害 |
研究実績の概要 |
アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患患者における、虚血性神経細胞障害の進行の病態を明らかにする目的で、内頸あるいは中大脳動脈にアテローム硬化性狭窄または閉塞を有する患者を対象とし、ポジトロンCTを用いて、縦断的検討のためのベースライン測定を開始した。本年度は、24例の患者においてベースラインデータを得ることができた。同時に、臨床症状やMRIデータも得ることができた。 われわれの過去の検討から、アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患患者においては、大脳皮質神経細胞障害と大脳機能障害の原因としては、慢性脳虚血そのものによる一次的神経細胞障害が、脳梗塞に起因する2次的な経神経性神経細胞障害よりも重要であるという結果をえた。われわれは、1990年代に慢性脳虚血と脳梗塞発生との関連を明らかにし、脳梗塞発生を減らし予後を改善するための治療法の検討を続けているが、1990年代に比べて2000年代では、治療法も進歩している。そこで、2000年代における、慢性脳虚血と脳梗塞発生との関連を再検討した。その結果,1990年代に比べて、アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患の脳梗塞再発率は低下しているものの、高度脳循環障害と脳梗塞再発との関連は明らかに認められた。さらに、高度脳循環障害患者の脳梗塞再発リスクは、最初の2年間が高いことや、過度の降圧は再発リスクを高める可能性も明らかになった。この結果は、慢性脳虚血と大脳皮質神経細胞障害の発生との関連を支持し、神経細胞障害の予防に慢性脳虚血の治療が重要であることを示唆していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断的検討のためのベースラインデータが集まりつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度後半からは、縦断的検討のために、経時的検査症例を増やしていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
画像解析用PCのデータ保存用に使用するハードディスクは、データ量に応じて段階的に購入することにした。
|
次年度使用額の使用計画 |
データ蓄積に応じてハードディスクを追加購入する目的に使用する。
|