• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

脳主幹動脈閉塞症における神経細胞障害進行の病態に関する分子イメージング研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461323
研究機関滋賀県立成人病センター(研究所)

研究代表者

山内 浩  滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 副所長 (40360812)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳・神経 / 脳卒中 / 分子イメージング / ポジトロンCT / 脳主幹動脈閉塞症 / ベンゾジアゼピン受容体 / 選択的神経細胞障害 / 脳梗塞
研究実績の概要

脳梗塞が生じるより軽度の脳虚血により神経細胞に選択的な障害が起こる。大脳皮質神経細胞表面に存在する中枢性benzodiazepine受容体(BZR)の低下は神経細胞障害を示唆し、PET用のBZRトレーサー、11C-Flumazenilを用いて受容体密度を測定することで、神経細胞障害の程度を評価できる。本研究では、縦断的に神経細胞障害を評価し、神経細胞障害が進行するか、進行するならベースラインの慢性脳循環障害の程度や経過中の脳循環障害の悪化と関連しているか検討した。内頸あるいは中大脳動脈に狭窄または閉塞を有し、内科治療をうけ、経過観察中に脳卒中発作のない患者80例を対象とした。PETと11C-Flumazenilおよび15O-Gasを用いて、BZR密度と脳循環代謝諸量を2回求めた。病変側中大脳動脈領域大脳皮質において,abnormally decreased BZR indexを計算した(以下BZR index)。BZR index高値は神経細胞障害を意味する。平均26ヶ月の経過観察中に、BZR indexは、40例(50%)の患者で増加(神経細胞障害の進行)した。多変量解析では、BZR index増加は、ベースラインの脳血流量低値と経過観察中の酸素摂取率値の増加と関連していた。経過観察中の酸素摂取率値の増加は、statinによる治療がないことと関連していた。アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患患者において、進行性大脳皮質神経細胞障害は、ベースラインの脳循環障害の程度と経過中の脳循環障害悪化に関連していた。statinは脳循環障害の悪化を予防し神経細胞保護に働く可能性がある。ついで、高度脳循環障害を有しバイパス手術を受けた9例を同様に検討し、高度脳循環障害で内科治療の8例と比較したが、手術群で神経細胞障害進行の程度が大きく、手術の神経細胞障害進行予防効果は示されなかった。

備考

滋賀県立成人病センター研究所ホームページ

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Progressive Cortical Neuronal Damage and Extracranial-Intracranial Bypass Surgery in Patients with Misery Perfusion2017

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi H, Kagawa S, Kishibe Y, Takahashi M, Higashi T.
    • 雑誌名

      AJNR Am J Neuroradiol

      巻: 38 ページ: 935-941

    • DOI

      10.3174/ajnr.A5110

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Progressive Cortical Neuronal Damage and Chronic Hemodynamic Impairment in Atherosclerotic Major Cerebral Artery Disease2016

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi H, Kagawa S, Kishibe Y, Takahashi M, Higashi T.
    • 雑誌名

      Stroke

      巻: 47 ページ: 1534-1541

    • DOI

      10.1161/STROKEAHA.116.013093

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] アテローム硬化性頭蓋内動脈閉塞性疾患患者における脳循環代謝評価の意義2017

    • 著者名/発表者名
      山内浩
    • 学会等名
      第42回日本脳卒中学会学術集会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2017-03-16
  • [学会発表] アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患における進行性大脳皮質神経細胞障害と慢性脳循環障害2016

    • 著者名/発表者名
      山内浩、東達也、加川信也、岸辺喜彦、高橋昌章
    • 学会等名
      第59回日本脳循環代謝学会学術集
    • 発表場所
      徳島市
    • 年月日
      2016-11-12
  • [学会発表] 慢性脳虚血患者における18F-fluoroacetate PET: 虚血性障害の高リスク領域を描出2016

    • 著者名/発表者名
      山内浩、東達也、加川信也、岸辺喜彦、高橋昌章、西井龍一、水間 広、高橋和弘、尾上浩隆
    • 学会等名
      第41回日本脳卒中学会学術集会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2016-04-16
  • [備考] http://www.shigamed.jp/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi