本研究は、セマフォリン3G(Sema3G)がグルカゴン分泌を調節し、糖代謝の恒常性維持に寄与しているという仮説のもと行われた。 sema3gノックアウトマウスを用いた解析で、膵α細胞の増加および、pancreas duodenum homeobox 1(Pdx1)、Neurogenen3(Ngn3)といった膵内分泌細胞の分化、機能維持に必須の転写因子の発現亢進を認めた。一方で、グルカゴンは低値であり、膵島周囲の神経細胞の増加、膵島内への交感神経終末の貫入を認めた。以上より、Sema3Gは膵α細胞の増殖・分化および、神経網の構築に関与し、グルカゴン分泌に重要な役割を果たしているものと考えられた。
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