先天性全身性脂肪萎縮症3例、部分性脂肪萎縮症3例の計6例の脂肪萎縮症について、遺伝子解析を行った。先天性全身性脂肪萎縮症の1例において、AGPAT2遺伝子に新たな複合型ヘテロ接合体変異を同定した。臨床所見では、BSCL2遺伝子による先天性全身性脂肪萎縮症とは異なる表現型(脂肪萎縮の程度、合併症の重症度)が観察された。エクソーム解析を行った症例では、脂質代謝に関わる遺伝子の多型が多く同定された。今後、親族を含めた遺伝子解析の追加、iPS細胞を用いた機能解析により、脂肪萎縮症の新規原因遺伝子が同定され、脂肪細胞分化・増殖のメカニズムの詳細が明らかにできる可能性がある。
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