研究課題/領域番号 |
26461337
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野村 和弘 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (70450236)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肥満 / 骨格筋 / アドレナリン抵抗性 / PGC-1α |
研究実績の概要 |
我々はPGC-1αの新規アイソフォームPGC-1αb/cが運動による骨格筋でのPGC-1α増加の本態を担うことを明らかにしている。また運動時の骨格筋では交感神経の活性化により、β2アドレナリン刺激を介してPGC-1αb/cの発現が増加し、エネルギー消費の亢進に重要な機能を担うことを見出している。 さらに、肥満病態形成における PGC-1αb/cアイソフォームの役割について検討した。高脂肪食飼育マウスやdb/dbマウスのような肥満モデル動物の骨格筋では、PGC-1αb/cの発現誘導に関わると考えられたβ2アドレナリン刺激によるPGC-1αb/cの発現増加およびエネルギー消費の増大が著しく抑制されていた。すなわち肥満モデルマウスの骨格筋において、アドレナリン感受性の低下、即ち「アドレナリン抵抗性」が生じている可能性が示唆された。また、肥満モデルマウスの骨格筋ではβ2アドレナリン受容体の発現低下を認め、これがアドレナリン抵抗性の一因になると考えられた。引き続きβ2アドレナリン受容体の骨格筋特異的欠損マウスを作製し、運動時のエネルギー消費におけるβ2アドレナリン-PGC-1αb/c経路の重要性について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
β2アドレナリン受容体の骨格筋特異的欠損マウスの導入も順調にすすみ、おおむね計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
導入したマウスの表現型について研究計画通り解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
β2アドレナリン受容体の骨格筋特異的欠損マウスの導入が順調にすすんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
β2アドレナリン受容体の骨格筋特異的欠損マウスの表現型の解析に使用する。
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