マウスの骨格筋ではβ2アドレナリン受容体作動薬を投与した際、運動時と同様にPGC-1αb/cの発現が顕著に誘導され、エネルギー消費も顕著に増大することから、PGC-1αb/cはβ2アドレナリン刺激を介してその発現が増大し、エネルギー消費の亢進に重要な役割を担うと考えられた。また、肥満マウスの骨格筋では、β2アドレナリン受容体作動薬によるPGC-1αの発現増加およびエネルギー消費の増大は抑制されていた。この時、骨格筋では各アドレナリン受容体アイソフォームのうち、β2アドレナリン受容体の発現が特異的に低下し、アドレナリンシグナルの減弱、すなわち「アドレナリン抵抗性」というべき病態が生じていた。
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