申請者らは糖尿病合併症発症機序として「高血糖によるミトコンドリア由来活性酸素過剰産生(mtROS)」説を提唱している。この仮説をさらに発展させた本研究において、1)高グルコース培養血管内皮細胞、または糖尿病マウス腎糸球体において、細胞内低酸素が生じることを新規に確認した。2)細胞内低酸素誘導の機序として、mtROSおよび水チャネルであるaquaporin-1 (AQP1)が関与していることを確認した。3)AQP1の過剰発現により、高グルコース培養で認められた代謝異常が改善することを確認した。以上より、mtROSと細胞内低酸素が相互に作用しながら糖尿病合併症発症が進行するものと考えた。
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