門脈内のグルコースやglucagon-like peptide-1 (GLP-1)が肝迷走神経の求心性情報を惹起し、インスリン分泌や栄養摂取の制御に重要な役割を果たしている可能性が示されている。本研究では、この神経情報が摂食行動およびインスリン分泌能の賦活に果たす効果を明らかにする。ラットの肝迷走神経切断は摂餌量に影響しなかったが、飲水量の減少をもたらした。頚静脈内糖負荷に対するインスリン分泌総量は同切断で約20%減少したが、門脈内負荷時との明らかな違いは認めなかった。持続的門脈内グルコースおよびGLP-1注入後、インスリン分泌は増加するが、肝迷走神経切断の有無で明らかな差は認めなかった。
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