研究課題
本研究では、わが国では極めて稀な1型糖尿病濃厚発症家系を用いて、ゲノムワイド関連解析では同定できない、アリル頻度は低いが浸透率が高いいわゆる“rare variant”を同定しそのvariant が日本人1型糖尿病患者全体の発症に及ぼす寄与率を評価し、さらにその機能解析を行うことにより、1型糖尿病の予知・早期診断に役立てるとともに、分子メカニズムに基づいた予防法・進展阻止法・治療法を構築し、1型糖尿病の発症・進展の各病期におけるテーラーメイド医療の確立へと展開することを目的としている。本年度の研究実績:①4姉妹中3 人に1型糖尿病を認め、残りの1 人も膵島自己抗体が陽性である濃厚発症家系および親子発症の1家系のサンプルを用いて、欧米白人で報告されたハイリスクの機能多型が日本人には存在しないPTPN22に着目し、21 の全 exon およびexon-intron junction のリシークエンスを行なった。これまで日本人で報告されていない10 個の多型を認めた。この多型について、健常者と1型糖尿病患者を対象としてタイピングを行ない、現在、結果の解析を進めている。②上記の濃厚発症家系サンプルを用いて、次世代シークエンスによるエクソーム解析を行った。4番目の姉妹を1型糖尿病罹患者と設定するモデルと非罹患者と設定するモデルの2つのモデルを設定し、連鎖解析を進めている。
3: やや遅れている
エクソーム解析についてはタイピングは終了したが、現在得られたデータの詳細な解析を進めているところである。
エクソーム解析結果の詳細な解析を進め、本家系の濃厚発症に関わるrare variantを同定し、孤発例でのCase-Control studyを行うことで、日本人1型糖尿病発症に対する寄与率を求める。さらに、1型糖尿病発症にに最も強く関与しているHLA 領域のとの相互作用を検討する。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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