研究課題/領域番号 |
26461348
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川畑 由美子 近畿大学, 医学部, 准教授 (80423185)
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研究分担者 |
池上 博司 近畿大学, 医学部, 教授 (20221062)
能宗 伸輔 近畿大学, 医学部, 講師 (90460849)
馬場谷 成 近畿大学, 医学部, 講師 (10449837)
廣峰 義久 近畿大学, 医学部, 講師 (30460851)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / 遺伝子 |
研究実績の概要 |
本研究では、わが国では極めて稀な1型糖尿病濃厚発症家系を用いて、ゲノムワイド関連解析では同定できない、アリル頻度は低いが浸透率が高いいわゆる‟rare variant”を同定し、そのrare variantが日本人1型糖尿病患者全体の発症に及ぼす寄与率を評価し、さらにその機能解析を行うことにより、1型糖尿病の予知・早期診断に役立てるとともに、分子メカニズムに基づいた予防法・進展阻止法・治療法を構築し、1型糖尿病の発症・進展の各病期におけるテーラーメイド医療の確立へ展開することを目的としている。 本年度の研究実績 ①4姉妹中3 人に1型糖尿病を認め、残りの1 人も膵島関連自己抗体が陽性である濃厚発症家系サンプル(6名:父、母、姉妹4名)と母と子で1型糖尿病を発症した家系サンプル(2名:母、子)を用いて、欧米白人で報告されたハイリスクの機能多型が日本人には存在しないPTPN22に着目し、21 の全 exon およびexon-intron junction のリシークエンスを行った。その結果これまで日本人においては報告されていなかった6 個の多型を認めた。それらにつき、孤発例でのCase-Control studyを行ったところ、その中の1多型はminor alleleが患者群で高頻度であった。 ②上記の4姉妹中3 人に1型糖尿病を認めた家系6名を対象としDNAライブラリーを作成し、HiSeqシステムで全エクソームシークエンスを行った。同定された全variantから、母親をキャリアとするドミナントモデルを想定して変異の絞り込みを行ない、さらに種を超えて保存されている遺伝子による絞り込み、ダメージスコアを考慮に入れた絞り込みの結果、11変異が抽出された。全ゲノム連鎖解析の結果と照合し、11変異のうち3つが原因遺伝子変異の候補として同定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エクソーム解析につきタイピングは終了しており、原因遺伝子変異の候補も同定されたが、さらに詳細な解析を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
原因遺伝子の候補として同定された変異について、孤発例でのCase-Control studyを行い、日本人1型糖尿病患者発症に対する寄与率の検討を行う。 父親をキャリアとするドミナントモデルを想定しての絞り込みも行い、他の候補遺伝子の有無について検討する。 さらに1型糖尿病発症に最も強く関与しているHLA領域との相互関係を検討する。
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