2型糖尿病において環境因子は重要であるが、病態に関与する分子機序は不明である。本研究では、自然発症2型糖尿病モデルマウス膵島を用い、RNA-Seqとcis調節活性を反映するH3K27ac ChIP-Seqデータを、環境因子の有無により比較した。糖尿病の発症と進展は多くの遺伝子の発現低下を伴っており、環境因子によって活性の低下するH3K27acと関連していた。これらcisエレメントには重要転写因子モチーフのエンリッチメントが認められ、膵β細胞機能異常との関連が窺われた。本研究により、環境因子による糖尿病発症機構にエピゲノム・遺伝子転写発現調節機構の破綻(不全)が寄与している可能性が示唆された。
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