研究課題
AKAP13の骨特異的コンディショナルノックアウトマウスの解析を進めている。現在のところ、骨の一部にAnomalyを認めるが、その他の骨の表現型に関しては野生型と比較して変化を認めていない。AKAP13のヘテロマウスを用いた解析では、骨粗鬆症様変化を認め、その骨形成は低下、骨芽細胞数も低下していた。一方で、破骨細胞数には有意差は認めず、骨吸収にも大きな影響は及ぼしていなかった。従って、AKAP13は骨形成に関与するものと考えられ、さらに、大腿骨のmRNA解析ではRUNX2の低下が認められ、骨形成の極早期の段階での寄与が示唆されている。一方、in vitroの解析では、骨芽細胞分化の系でAKAP13の発現量は分化するにつれて低下することからも、ごく初期の段階において重要な役割を担っているものと推察された。今後は、骨転写因子CREを用いたマウスでの解析も並行して進める。in vitroの系では、AKAP13のRhoシグナルの関与が知られており、実際に、骨芽細胞のRhoの高発現実験においてAKAP13のノックダウンがその骨代謝への効果を減弱ささせることが分かった。また、mutant structureを用いた検討から、ぞれぞれの機能性domainがAKAP13の骨代謝に重要な役割を担っていることが分かった。現在、骨におけるAKAP13の結合因子および、AKAP13遺伝子をノックダウンさせた際の遺伝子変化の解析を進めている。
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すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)