研究課題/領域番号 |
26461366
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
下村 健寿 福島県立医科大学, 医学部, 特任教授 (90636226)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 過食 / KATPチャネル |
研究実績の概要 |
Oxt-mRFPラットにおいて加齢ラットと若年ラットの脳室傍核を含むスライスを作成し、室傍核オキシトシンニューロンに対して脳スライスパッチクランプを用いた活動電位の変化の測定を行った。この際、KATPチャネル選択的阻害剤であるSU剤を添加したところ若年ラットにおいては、活動電位に変化が認められなかったが、加齢ラットのオキシトシンニューロンにおいては活動電位の発生を確認した。 これらの結果より加齢ラットではKATPチャネルによってニューロン活性が制御されていることが示唆された。 室傍核のオキシトシンニューロンは摂食を制御していると考えられるため、KATPチャネルが加齢とともにオキシトシンニューロンで増加し、その活性を制御し、最終的に摂食を制御している可能性を間接的に示唆している結果と思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オキシトシンニューロンがKATPチャネルによって制御されていることを電気生理学的に証明できており、当初の予定に沿って、基盤となるデータが獲得できたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
加齢ラットと若年ラットの脳室傍核のqRT-PCRによる検討を行い、KATPチャネルの発現に変化があるかを検討する。 また、室傍核にKATPチャネル阻害剤であるSU剤を局所投与することで加齢ラットと若年ラットで摂食量の変化が生じるかについての検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
電気生理学的検討が予定よりも好結果を得たことにより、当初予定された場合よりラットの匹数が削減できた。
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次年度使用額の使用計画 |
分子生物学的手法によりKATPチャネルの発現量の変化を測定する予定である。この場合、KATPチャネルを構成する2種類のサブユニットにおいて検討する必要がある。 また電気生理学的手法においてもオキシトシンニューロンにおいて活動電位以外にもKATPチャネル電流そのものを測定し、チャネル昨日そのものに変化がないかを測定し、さらに詳細な結果を目指す。
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