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2015 年度 実施状況報告書

組織特異的カルパインによるマクロファージ泡沫化ならびに動脈硬化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 26461368
研究機関昭和大学

研究代表者

宮崎 章  昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードカルパイン / マクロファージ / 動脈硬化
研究実績の概要

マクロファージにおける過剰なLDL取込みは、細胞内コレステロールの蓄積を引き起こし、動脈硬化症の原因となる。前年度までの研究により、カルパインファミリーの非プロテアーゼ型アイソフォームであるカルパイン-6がマクロファージ飲作用 (pinocytosis) を介したnative LDL取込みを促進し、その結果動脈硬化症を増悪化することを明らかにした。当該年度では、これらの分子機構をさらに解析した。カルパイン-6野生型ならびに欠損マウスより単離した骨髄由来マクロファージの解析により、カルパイン-6はスプライシング関連因子CWC22と細胞質において結合することが明らかとなった。このタンパク質間相互作用の結果、CWC22の核移行が妨げられ、CWC22のターゲット遺伝子であるRac1のmRNA成熟ならびにタンパク質発現が抑制された。Rac1発現の低下は飲胞 (pinosome) の成熟およびリソソームへの移行を容易にし、結果として飲作用活性を促進した。カルパイン-6を阻害することによりCWC 22の核移行を促進し、飲作用を介したマクロファージ泡沫化を抑制するというあらたな動脈硬化治療戦略が提唱できるものと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度までにカルパイン-6欠損によりマクロファージによるLDL pinocytosis が低下している事が明らかになっていたが、その分子機構に関して、細胞質におけるカルパイン-6とスプライシング関連因子CWC22との相互作用の重要性を明らかにした。

今後の研究の推進方策

これまでの研究は、LDL受容体欠損マウスならびにカルパイン-6欠損マウスとそれらの骨髄由来マクロファージを用いて行ってきたが、今後ヒトの動脈硬化病変ならびにヒトマクロファージにおいてもマウスと同様の知見が得られるかを検討したい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Hic-5 deficiency attenuates the activation of hepatic stellate cells and liver fibrosis through upregulation of Smad7 in mice.2016

    • 著者名/発表者名
      Lei XF, Fu W, Kim-Kaneyama JR, Omoto T, Miyazaki T, Li B, Miyazaki A.
    • 雑誌名

      Journal of Hepatology

      巻: 64 ページ: 110-117

    • DOI

      10.1016/j.jhep.2015.08.026

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] カルパインシステムによるJAK/STAT経路依存的な病的血管新生の制御2015

    • 著者名/発表者名
      宮崎 拓郎, 武富 芳隆, 雷 小峰, 金山 朱里, 村上 誠, 宮崎 章
    • 学会等名
      BMB2015(日本分子生物学会 日本生化学会合同大会)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-02
  • [学会発表] カルパインシステムによるJAK/STAT経路依存的な病的血管新生の制御2015

    • 著者名/発表者名
      宮崎 拓郎, 雷 小峰, 金山 朱里, 宮崎 章
    • 学会等名
      第47回日本動脈硬化学会学術集会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2015-07-10
  • [学会発表] カルパイン-6によるマクロファージ飲作用・LDL取込ならびに動脈硬化病変の制御2015

    • 著者名/発表者名
      宮崎 拓郎, 雷 小峰, 金山 朱里, 宮崎 章
    • 学会等名
      第57回日本脂質生化学会大会
    • 発表場所
      一橋大学一橋講堂
    • 年月日
      2015-05-29
  • [学会発表] Calpastatin counteracts pathological angiogenesis by inhibiting suppressor of cytokine signaling 3 degradation in vascular endothelial cells2015

    • 著者名/発表者名
      Takuro Miyazaki, Yoshitaka Taketomi, Yuta Saito, Tomohiko Hosono, Xiao-Feng Lei, Joo-ri Kim-Kaneyama, Satoru Arata, Haruo Takahashi, Makoto Murakami, Akira Miyazaki
    • 学会等名
      XVII International Symposium on Atherosclerosis
    • 発表場所
      アムステルダム
    • 年月日
      2015-05-24
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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