研究課題
私たちはcaveolin-1とABCA1の相互作用を検証し、それがABCA1タンパク質の分解制御と安定化に関わる分子制御機構を研究して、そのHDL新生への関与について研究進めた。caveolin-1野生型MEF及び欠損MEF細胞にSQとDQを添加し、ABCA1タンパク質の発現レベルを検討した。野生型MEF細胞では、SQ,DQによりABCA1蛋白質発現の増加がみられますが、欠損細胞では、この増加を消失する。そこでCaveolin-1欠損MEF細胞にcaveolin-1を強制発現させると、SQ、DQによるABCA1発現増加効果が回復した。また、SQ, DQのapoA1による細胞cholesterol排出の増加もcaveolin-1欠損によりキャンセルされ、caveolin-1発現により回復した。次に、ABCA1とCaveolin-1の直接相互作用について免疫沈降を行った。ABCA1とcaveolin-1の直接のinteractionが見られた。また、probucolの酸化物SQとDQの添加により、その相互作用が阻害された。これらの反応の条件下の培養細胞で、蛍光色素による免疫組織染色により、生化学的に示された相互作用を蛍光画像として確認した。ABCA1はcaveolin-1と細胞膜で共存し、SQ,DQはこの共存を干渉することが観察され免疫染色法によりABCA1とcaveolin-1の細胞内の共存を調べた結果も同じでした。このように、ABCA1の細胞内への移行はCaveolin-1との相互作用が必要であり、probucolの酸化物であるspiroquinoneとdiphenoquinoneはABCA1とCaveolin-1のinteractionを阻害することにより、ABCA1の細胞内への移行を抑制し、タンパク質の発現が増加し、HDLの産生を促進すると示唆された。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件)
J Atheroscler Thromb
巻: 24 ページ: ー
http://doi.org/10.5551/jat.39156
Atherosclerosis
巻: 253 ページ: 54~60
https://doi.org/10.1016/j.atherosclerosis.2016.08.025
Arterioscl. Thromb. Vasc. Biol.
巻: 36 ページ: 591~597
https://doi.org/10.1161/ATVBAHA.115.306376