インスリノーマに代表される膵神経内分泌腫瘍の詳細な腫瘍発症機構は不明である。遺伝性に膵内分泌腫瘍を呈する疾患として多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)があげられるが、責任遺伝子MEN1, 翻訳産物meninの詳細な機能は不明である。私達はMeninの共役結合蛋白であるJunDに注目し、JunDと結合能のない変異JunDトランスジェニックマウスを作製し解析したところ、ヒトインスリノーマに類似した表現型を呈していた。またこのマウスの腫瘍化のメカニズムはこれまで提唱されている腫瘍化機構とは別の経路であることが示された。
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