副腎・性腺ステロイド産生細胞は中間中胚葉から分化することが知られている。我々は、ヒトiPS細胞から誘導されたOSR1陽性中間中胚葉細胞を用いて、ステロイド合成酵素を誘導する化合物のスクリーニングを行い、ドーパミンD1受容体がOSR1陽性細胞の3β-HSD2発現上昇に寄与していることを見いだした。OSR1陽性細胞に転写因子SF-1/Ad4BPを強制発現させるとACTH受容体及び多くのステロイド合成酵素が発現し、そこにD1受容体アゴニストを添加すると、種々のステロイド合成酵素の発現が増強し、コルチゾールなどの産生が増大した。これらの結果は、副腎皮質分化における髄質-皮質相互作用の重要性を示唆した。
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