研究課題
1)CNP/GC-B系賦活化の内軟骨性骨化による骨伸長促進作用の機序の解明平成27年度に引き続き、骨における特異的発現を可能とする1型コラーゲンプロモーターを用いたCreトランスジェニックマウスを使用して、Cre-loxPシステムによるGC-Bの骨特異的ノックアウトマウスを作製し、解析を継続した。各群サンプル数約20の骨特異的GC-Bノックアウトマウスおよびその対照マウスの大腿骨の骨形態計測を、マイクロCTを用いておこなったが、サンプル間でのばらつきが大きく、最終的には両群間の差を認めなかった。今後、週齢数や固定時間をより厳密に統一し、再検することを検討している。2)CNP/GC-B系の骨伸長促進作用におけるCNPの代謝機構の意義の解明C受容体ノックアウトマウスの軟骨・骨組織の解析:前年度までに引き続き、供与を受けたC受容体ノックアウトマウスをCNPノックアウトマウスと交配させてCNPかつC受容体ノックアウトマウスを作製した。その結果、C受容体ノックアウトマウスに認められる骨の過伸長はCNPノックアウトマウスのbackgroundでは発現せず、C受容体ノックアウトマウスに認められる骨の過伸長が、内因性CNPのクリアランス低下によるものであることが明らかとなった。3)CNP/GC-B系と他経路・他分子との相互作用の解明前年度施行したcGKII (CNP/GC-Bの下流分子)のノックアウトマウスを用いた胎仔脛骨器官培養において、CNP添加による骨伸長促進について確認し、組織学的解析をおこなった。また、今回はCNP/GC-Bの下流との相互作用が想定されているMAPK経路のERKの阻害剤を用いて、その作用を検討した。ERK阻害剤は胎仔脛骨器官培養における培養体の伸長を促進した。今後、CNPとの相互作用を検討する予定である。
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Bone
巻: 92 ページ: 157-167
doi: 10.1016/j.bone.2016.08.026.