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2015 年度 実施状況報告書

新たに見いだした抗肥満高耐糖能マウスにおける原因遺伝子の同定と糖代謝異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26461388
研究機関久留米大学

研究代表者

佐藤 貴弘  久留米大学, 分子生命科学研究所, 准教授 (50368883)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード低血糖
研究実績の概要

「抗肥満高耐糖能マウスの原因遺伝子の同定」:昨年度の解析で抽出された変異候補か所(317か所)について、サンガー法によるシークエンス解析を行った。このうち一部はGCリッチな領域であるなどの理由からPCRがかかりにくく、配列を読むことができなかった。一方で、配列を読むことができたものの中に変異候補か所を同定することはできなかった。
「抗肥満高耐糖能マウスの糖代謝調節機構の解明」:昨年度、検討できなかったコルチコステロン濃度について検討したが、正常マウスと抗肥満高耐糖能マウスとの間に差は見られなかった。次に、I型糖尿病誘発モデル動物の作成に使用されるストレプトゾトシンを投与し、4日後の血糖値を測定した。正常動物の血糖値は400(mg/dL)以上になったのに対し、抗肥満高耐糖能マウスの血糖値は100~150(mg/dL)の範囲内であり正常だった。ストレプトゾトシンは、膵β細胞に発現するグルコーストランスポーターによりグルコースと同様に細胞内に取り込まれ、その後、DNAのグアニンを架橋させることで転写・複製をできないようにして毒性を示す。また、ストレプトゾトシンがポリADPリボース化を誘導してDNAのダメージを与えて毒性を示す系も知られている。このことから、現在、これら2つの系の異常を中心に解析している。以上、本年度の解析から、抗肥満高耐糖能マウスの糖代謝調節機構は、ストレプトゾトシンの作用系と密接な関係があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「抗肥満高耐糖能マウスの原因遺伝子の同定」では、昨年度の解析で抽出された変異候補か所(317か所)のうち、サンガー法によるシークエンス解析によって一部の配列を読むことができなかった。このため、若干、研究の進行に遅れが生じたので、経費の一部を繰り越した。一方、「抗肥満高耐糖能マウスの糖代謝調節機構の解明」では、ストレプトゾトシン投与によるI型糖尿病誘発実験から、抗肥満高耐糖能マウスの糖代謝調節機構の解明に繋がる成果を得ることができた。したがって、当初の予定よりも早く進行していると考えられることから、研究全体としてはおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

「抗肥満高耐糖能マウスの原因遺伝子の同定」では、引き続き、サンガー法によるシークエンス解析を行う。「抗肥満高耐糖能マウスの糖代謝調節機構の解明」では、当初の計画通りに研究を進める一方、抗肥満高耐糖能マウスの糖代謝調節系がストレプトゾトシンの作用系と密接に関与していることが明らかとなったので、ストレプトゾトシンの作用系に関与する物質に着目しながら解析を進める計画である。

次年度使用額が生じた理由

「抗肥満高耐糖能マウスの原因遺伝子の同定」では、昨年度の解析で抽出された変異候補か所(317か所)のうち、サンガー法によるシークエンス解析によって一部の配列を読むことができなかった。このため、若干、研究の進行に遅れが生じたので、経費の一部を繰り越した。

次年度使用額の使用計画

「抗肥満高耐糖能マウスの原因遺伝子の同定」において、遅延分の費用として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自然発生矮小マウスの変異遺伝子の探索2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴弘
    • 学会等名
      第1回 帝京大学若手内分泌セミナー
    • 発表場所
      帝京大学板橋キャンパス
    • 年月日
      2015-04-25

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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