研究実績の概要 |
1)ヒトC2CD4A-C2CD4B領域内の遺伝子多型検索および機能性多型の同定 C2CD4A-C2CD4B領域内で2型糖尿病疾患感受性に直接影響する原因多型を同定するため、まず96名の2型糖尿病患者由来のゲノムを用いて、ヒトC2CD4AおよびC2CD4B全長とその上流10kbp, C2CD4A-C2CD4Bのintergenic region を含む領域(約100kbp)の塩基配列をサンガー法にて解析した。その結果、223の遺伝子多型が認められ、うち53多型はデータベースに登録されていない新規多型であった。これらの遺伝子多型について、2型糖尿病3000名、コントロールn=3426名のゲノムサンプルを用いて遺伝子型タイピングを行い、得られた遺伝子型と2型糖尿病との関連をロジスティックモデルにて解析を行ったところC2CD4A-C2CD4Bのintergenic regionに位置する一塩基多型が最も強い疾患との関連を示した[p値=1.04×10-6, 1リスクアレル辺りのオッズ比(95%信頼区間)=1.13(1.03-1.25)]. 2)培養細胞系におけるC2CD4AおよびC2CD4Bの作用の解明。 糖代謝に重要な組織におけるC2CD4A, C2CD4Bの発現パターンを明らかにするため、マウスMIN6細胞(膵β細胞) 分化誘導後のC2C12細胞(筋管細胞)分化誘導後の3T3-L1細胞(脂肪細胞)、Hepa1-6細胞(肝細胞)におけるC2Cd4a, C2Cd4bのmRNA発現をqPCRにて解析したところ、MIN6細胞におけるC2Cd4a, C2Cd4bの発現は他の3つの細胞に比べいずれも10倍以上の強い発現が確認された。そこで、siRNAを用いてMIN6細胞のC2Cd4a, C2Cd4bそれぞれのノックダウンの条件検討を行っている。
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