研究課題/領域番号 |
26461390
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
今村 美菜子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00596124)
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研究分担者 |
前田 士郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50314159)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / 遺伝要因 |
研究実績の概要 |
C2cd4a, C2cd4b遺伝子改変動物の作成および表現型観察 26年度に行われたヒトゲノムを用いた検討の結果においてC2CD4A-C2CD4B領域内で統計学的に最も関連が強いと判断された一塩基多型は両遺伝子の間に位置していた。また、各種培養細胞を用いた発現パターン解析の結果からもマウスC2cd4a, C2cd4b量遺伝子が膵ベータ細胞において役割を果たしている可能性が考えられた。以上より両遺伝子ともに疾患感受性に関与している可能性が考えられたため、C2cd4a, C2cd4bのそれぞれについて膵ベータ細胞特異的トランスジェニックマウスを作成した。 β細胞特異的プロモーター(ラットインスリンプロモーター)とSV40polyAの間にマウスC2cd4aあるいはC2cd4b全長をそれぞれ挿入した発現ベクターを構築し、制限酵素処理した後、精製した各プロモーターと各遺伝子cDNAを含む断片を受精卵にインジェクションした。C2cd4aマウスおよびC2cd4bマウスそれぞれ4系統のF1マウスが得られた。サザンブロットによる導入遺伝子のコピー数解析を行い、コピー数の異なる2系統を選択し系統を樹立することとした。それぞれのコピー数は以下の通り;C2cd4aマウス;高コピーマウス29-34コピー、低コピーマウス6-9コピー;C2cd4bマウス;高コピーマウス43-52コピー、低コピーマウス2コピー。 いずれの系統のマウスも出生時にあるいは通常飼育下において明らかな外観の異常はなく、通常飼育下で生後3ヶ月までの成長も野生型マウスとの明らかな違いは認められていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的はゲノムワイドな遺伝学的アプローチにより同定された新規2型糖尿病疾患感受性遺伝子領域であるC2CD4A-C2CD4B領域の2型糖尿病発症進展機序を明らかにすることであり、平成27年度の計画は、遺伝子導入動物の作成および表現型観察ならびに単離ラ氏島でのインスリン分泌、遺伝子発現プロファイルを検討することであった。疾患感受性遺伝子候補であるC2CD4AおよびC2CD4Bのうち26年度の検討により明らかになった疾患感受性遺伝子の遺伝子改変動物を作成する予定であったが、26年度の検討の結果においてC2CD4AおよびC2CD4B両遺伝子ともに疾患感受性に関与している可能性が考えられたため、両方の遺伝子改変動物を作成した。目的とする遺伝子改変マウスが得られ、生後3ヶ月までの発育に明らかな異常を認めないことを観察しえたことより、計画はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
作成したマウスにおける耐糖能、膵β細胞におけるインスリン分泌能の評価を行う。マウスを6か月から12か月観察し、定期的に血糖値・体重などをモニターするとともに、随時糖負荷試験・摂餌量測定などを行い、耐糖能をはじめとする全身のエネルギー代謝状態の評価を行う。また、マウスより膵ランゲルハンス氏島を単離し、ex vivoでのインスリン分泌能の評価や各種遺伝子発現の検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は予定通りに経費を使用したが、わずかに繰越金(1,973円)が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度予定使用額とあわせて、予定通りに次年度の研究計画を遂行するために使用する。
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