レプチンシグナルの制御破綻が胃癌や胃炎の発症につながる。我々は、胃粘膜のレプチンシグナルの亢進は、腸上皮化生や胃がん形成初期に重要であることを、遺伝子改変マウスおよび食餌性肥満モデルマウスを用い明らかにした。レプチンシグナルの活性化により、PI3K -Akt経路の活性化と共にβ-cateninの細胞内蓄積、その標的遺伝子を発現するがん幹細胞や多能生維持因子が誘導された。レプチンシグナル欠損マウスでは、これらの病態が抑制されることから、胃粘膜のレプチンが胃細胞の恒常性維持に極めて重要な役割を果たすことを明らかにした。
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