研究課題
偽性副甲状腺機能低下症(PHP)はPTH抵抗性を示し、臨床的にAlbright徴候を伴うIa型と伴わないIb型に分類される。PTH受容体はGsα蛋白を介した細胞内シグナル伝達を行う。Gsα蛋白をコードするGNAS遺伝子は、PHPの責任遺伝子である。GNAS遺伝子上流には複数のdifferentially methylated region(DMR)領域が同定されており、アリル特異的メチル化を認める。これらは組織特異的インプリンティングを受けており、Gsαの発現が調節されている。我々は本邦におけるPHP患者39症例を集積しそのジェノタイプ、エピジェノタイプ、臨床病型の比較検討を行った。PHPIa12家系のうち7家系でGNASの変異を同定したが残りの5家系はDMRのエピ変異を認めた。家族性のPHPib型5家系のうち4家系でSTX16の欠失を認めた。更に孤発性PHOIb型11家系のうち9家系でDMRのエピ変異を認めたが残り2例ではSTX16の欠失を認めた。このように古典的な病型分類と分子診断は必ずしも一致せず、遺伝医療という観点からはMS-MLPA法等を用いた分子診断が重要であると考えられた。
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