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心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、現在急性心不全治療薬、心不全マーカーとして臨床応用されている。高リスク肺癌手術に対する周術期低用量ANP投与によって、術後早期再発抑制効果を新たに見出した。本研究の目的は、ANPの肺血管内皮細胞制御による癌細胞の血行性肺転移抑制効果とその機序を明らかにすることである。数種類の癌由来細胞株を用いたマウス尾静脈注入による血行性肺転移モデルや癌細胞の同所移植による自然肺転移モデルにおいて、ANPの肺転移抑制作用を認めた。この効果は、血管内皮細胞に発現しているANP受容体を介して、接着分子E-selectinの発現や血管炎症の制御によるものである。
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