悪性リンパ腫はしばしば感染・炎症を基盤に発症することが知られている。その代表そして膿胸関連リンパ腫があげられる。膿胸関連リンパ腫は肺結核後の長期にわたる膿胸腔に発生するB細胞リンパ腫であるが、ほぼ全例でEBウイルスの感染が認められる。今回、膿胸関連リンパ腫の病態を形成付ける遺伝子の探索を目的に研究を行った。その結果、CCL4/CCR5などのケモカイン発現亢進およびIL12aなどのサイトカイン発現亢進が膿胸関連リンパ腫の病態形成に関与することが示唆された。また、ZIC2やJAG1遺伝子などの発現亢進は様々なシグナル伝達経路を介して細胞増殖に関わり、本リンパ腫の発症に関与することが示唆された。
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