研究課題/領域番号 |
26461428
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 賢文 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (70402807)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 白血病 / ウイルス感染症 / 癌 / ゲノム / 微生物 |
研究実績の概要 |
成人T細胞白血病の制御へ向けたHTLV-1プロウイルス解析を進めている。プロウイルスの宿主ゲノムへの組み込み部位解析系をセットアップして、それぞれの感染クローンの特定とクローン性増殖の度合いを評価出来るようになった。今後は、遺伝子との位置関係、エピゲノムの特徴との関連性など、データの3次解析を進めていく予定。
研究に必要な症例検体の集積も順調に進行している。現在のところ約20症例、40検体分の末梢血単核球が収集されている。今後も、収集を継続する事でより多くの検体、長期経過観察が可能な検体数を増やす予定。 プロウイルスのエピゲノム解析では、クロマチン免疫沈降法(ChIP assay)が昨年度までに確立していたが、本年度はChIP-seqの立ち上げを行った。より詳細で精度の高いプロウイルスエピゲノム情報が入手可能となった。今後はChIP-seq解析の低コスト化を実現する事で、多くの臨床検体の解析を進めていく予定。その結果、高精度にプロウイルス転写制御機構を理解する事が可能になると期待される。
エピゲノム解析では、プロウイルス内に、宿主のインスレータータンパクが結合する事を見出し、プロウイルスのエピゲノムパターン形成、転写制御機構において重要な因子である事が示唆された。上記内容をまとめた論文を国際的なピアレビュー雑誌に投稿中で、現在論文のリバイス中である。また、同内容に関してH27年3月-4月アメリカで開催のKeystone Symposia(Viruses and Human Cancer)で招待講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・プロウイルスの宿主ゲノムへの組み込み部位解析系をセットアップして、それぞれの感染クローンの特定とクローン性増殖の度合いを評価出来るようになった。
・研究遂行に必要な、臨床検体の収集が予定通り進んでいる。(約20症例、40検体)
・エピゲノム解析は、1つ論文を投稿して現在revision中である。
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今後の研究の推進方策 |
・ウイルス組み込み部位解析に関して、データの3次解析を進めていく予定。
・症例の収集を更に進める。
・ChIP-seq解析の低コスト化を実現する事で、多くの臨床検体の解析を進めていく予定。その結果、高精度にプロウイルス転写制御機構を理解する事が可能になると期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初20万円の未使用見込(次年度繰越)の予定だったが、研究計画の変更が生じたため支払いの必要が生じた。その残額が695円となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の試薬購入や旅費に充てたいと考えている。
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