本研究では、分子生物学的異常が多様で複雑な多発性骨髄腫において普遍的にPDPK1(PDK1)と、その下流キナーゼであるRSK2が活性化し、腫瘍細胞の増殖や生存に重要な役割を担うこと、PDPK1/RSK2経路の活性化は病態形成の初期から進行期まで普遍的に認められることを見出した。また、PDPK1の過剰発現はmiR-375のepigenetic制御異常による発現低下が原因であることを明らかにした。今後、骨髄腫に対するmiR-375/PDPK1/RSK2標的治療の開発を展開するうえで、礎となる研究結果であるとともに、他の造血器悪性腫瘍にも対象を拡大し研究を展開中である。
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