研究成果の概要 |
同種造血幹細胞後の貪食細胞系の再構築と, 移植片対宿主病での役割を検討した。マウス同種骨髄移植後の組織常在マクロファージの再構築の検討をおこなったところ, 同系移植では, 数ヶ月かけて再構築される組織常在マクロファージが, 同種移植後にGVHDが重症化した臓器では, 2週間程度でドナー型に置換されていた。炎症性マクロファージは, 定常状態では組織にほとんど存在しないが, 同種造血幹細胞移植後の肺や皮膚では, 炎症性マクロファージの浸潤が認められ, これをモノクローナル抗体で除去すると, GVHDが軽減した。こうした所見は, 移植後の免疫寛容や移植片対宿主病の発症機序を考える上で重要である。
|