• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

インターロイキン2と抗PD-L1抗体の併用によるGVHD/GVL分離法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461449
研究機関岡山大学

研究代表者

松岡 賢市  岡山大学, 大学病院, 講師 (90432640)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード造血幹細胞移植 / 制御性T細胞 / 免疫寛容 / 橋渡し研究
研究実績の概要

慢性GVHDに対して、IL-2を低用量投与することにより、Tregを選択的に増加させることで、免疫寛容を導入しうることが臨床試験の結果から示されている。しかしながら、Tregの増加はGVL効果をも減弱させることが懸念され、IL-2療法中のTregホメオスタシスを正確にコントロールする技術の開発が必要である。われわれは、マウスに低用量IL-2を投与すると、CD62L+CD44+のCentral Memory表現型を有するTregが増幅すること、このTregはPD-1を高発現すること、さらにこのPD-1経路を遮断すると、IL-2療法中のTregホメオスタシスが破綻し、Treg数が減少することなどを明らかにした。さらに、このマウス実験の結果に基に、ヒトTregにおけるPD-1経路の意義について検証した。慢性GVHDに対する低用量IL-2試験の臨床検体を解析したところ、IL-2投与開始後4週目にTregにおけるPD-1発現はピークに達した。このPD-1発現上昇はTregにのみ観察され、通常CD4T細胞では上昇が見られなかった。その後に、IL-2療法による臨床効果がみられた患者検体とみられなかった患者検体を比較したところ、臨床効果がみられた患者群において、よりTreg特異的にPD-1上昇がみられる傾向が確認された。これらの結果より、IL-2に富む炎症環境下におけるTreg恒常性の維持には、PD-1経路による抑制性コントロールが重要な役割を果たしていることが示唆された。特に、臨床検体解析において、IL-2投与後に慢性GVHDが改善した患者群において、Treg上のPD-1発現上昇が顕著であった結果からは、TregのPD-1発現は、Treg恒常性を標的とする免疫療法の開発において、そのバイオマーカーとなる可能性を示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] PD-1 modulates regulatory T-cell homeostasis during low-dose interleukin-2 therapy.2017

    • 著者名/発表者名
      Asano T, Meguri Y, Yoshioka T, Kishi Y, Iwamoto M, Nakamura M, Sando Y, Yagita H, Koreth J, Kim HT, Alyea EP, Armand P, Cutler CS, Ho VT, Antin JH, Soiffer RJ, Maeda Y, Tanimoto M, Ritz J, Matsuoka KI.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 129 ページ: 2186-2197

    • DOI

      10.1182/blood-2016-09-741629

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi