研究課題/領域番号 |
26461456
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
牧野 雄一 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90345033)
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研究分担者 |
川口 鎮司 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (90297549)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 一塩基多型 / エンドセリン1 / 低酸素 / HIF-3a |
研究実績の概要 |
結合織疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症は、膠原病難治性病態の一つである。病理学的には肺動脈の血管収縮、リモデリング異常等を呈し、局所のエンドセリン1(ET1)の発現亢進等が関わることが示されているが発症機序の詳細は不明である。低酸素応答抑制分子IPAS/HIF-3α遺伝子破壊マウスは、肺血管構造異常、右心拡大、肺動脈ET1産生亢進等、肺高血圧症と類似した形質を示す。本研究は、膠原病性肺高血圧症におけるIPAS/HIF-3αシグナル異常の意義を究明し、IPAS/HIF-3αシグナルを標的とする新規治療法の開発基盤の確立を目的とする。具体的には、①膠原病性肺高血圧症患者におけるIPAS/HIF-3α遺伝子異常(多型)の解析、②IPAS/HIF-3α遺伝子異常がもたらすIPAS/HIF-3α分子機能の変調ならびにHIFシグナルの異常の肺高血圧症における役割の究明、③IPAS/HIF-3αシグナルを標的とする膠原病性肺高血圧症の新規分子療法開発の基盤構築、の3つの柱に沿って遂行される。本年度は特に、1) 膠原病性肺高血圧症におけるIPAS/HIF-3α遺伝子多型の解析、2) 膠原病性肺高血圧症患者で認めたIPAS/HIF-3α遺伝子SNPが分子機能に与える影響の解析、を中心に研究が展開され、以下の成果を得た。PAH合併強皮症患者において統計学的有意に高頻度に認めるHIF-3A遺伝子SNPを同定した。当該SNP導入HIF-3α発現細胞では、野生型HIF-3α発現細胞に比し、ET-1mRNAの発現が増強していた。そのメカニズムとして、SNP導入HIF-3αがHIF-1βと高い親和性を有し、ヒトET-1遺伝子プロモーターに強く結合することが示唆された。ET-1遺伝子プロモーターには,HIFの結合配列である低酸素応答性配列(HRE)が存在するが、SNP導入HIF-3αによるET-1遺伝子プロモーター活性化にはHRE以外の配列も重要であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IPAS/HIF-3αSNPがもたらすIPAS/HIF-3α機能変容の基礎的解析は順調に展開されたが、IPAS/HIF-3αノックアウトマウスにおいて肺高血圧症モデルを作成する計画が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
IPAS/HIF-3α KOマウスにおいて、7-10%酸素の慢性低酸素暴露による肺高血圧モデルおよびモノクロタリン誘発肺高血圧モデルを作成、その形質解析を鋭意推進する。
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