結合織疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、膠原病難治性病態の一つであるが発症機序の詳細は不明である。本研究は、膠原病性肺高血圧症におけるIPAS/HIF-3αシグナル異常の意義を究明し、IPAS/HIF-3αシグナルを標的とする新規治療法の開発基盤の確立を目的としている。成果としてPAH合併強皮症患者において有意に高頻度に認められるHIF-3α遺伝子一塩基多型(SNP)を同定し、当該SNP導入HIF-3αはET1発現を増強させることを見い出した。SNP保有HIF-3αによるET1発現の増強は血管平滑筋細胞の増殖・遊走を惹起しPAHの血管リモデリング異常と密接に関連することが示唆された。
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